ロールタン
6/11 立川談春 独演会 at イイノホール 19:00〜
たっぷり、独演。まさにそんな会だった。しかし上手い。もちろん上手いだけじゃなくて、まっすぐな古典に見える噺の中に描かれる昔から定番として元々あったかのように演じられる、現代にも通ずる様々な補足するようなセリフの一言や視点を付加する状況の描写が、あまりにも見事で舌を巻く。この人が、落語を愛しているのかどうかは知らないが、ちゃんと解釈し、換骨奪胎し、動物的か沈着冷静かはわからないが計算した上でこの圧倒的な今古典落語が形成されているんじゃないかとか余計なことを考えてしまった。
しかしこれから、これまで以上にいろんなことを背負わされて落語界の一端を大きく担って行くんだろうなあと、いろんなことから、勝手に気の毒になってしまった。見事に無頼にかわして行くのかもしれませんがね。
俺が言うなって感じだが、もっと普通の人たちが彼の落語を聞ければいいのに。だから、白談春を企画したのかな。
しかしまくらの、紀香陣内カップルの考察から入った「紺屋高尾」を現代女性がどう思ってるかの話とか、今の落語ブームは噺家じゃなくてジャニーズ(タイガー&ドラゴン、林家三平物語、しゃべれどもしゃべれども)が作ったものだとか、落語界には王子が居ない(マザコン王子はいるけど)とか、相当面白かった。