適在適酒

amane92007-04-21

4/21 志の輔らくご21世紀は21日 at 明治安田生命ホール 19:00〜


   立川メンソーレ:道具屋


   立川志の輔:御神酒徳利
   松元ヒロ:今日のニュース
   立川志の輔五貫裁き


 見事だった。ご本人は高座の前に3時間対談してきたせいで疲れている旨を語ってはいたが、こちらは大満足。志の輔らくごは、落語というジャンルの中に属すものなんだろうが、そういうこととは関係なく単純に面白いものなんだ、と改めて感じた夜だった。江戸弁ではないしいちいち分かりやすい。噺の完成度と演じる技量が高い水準でバランスが取れている。俺も最初、CDを聞いた時に感じたように、落語なんて全く知らない人が見てもとにかく笑えて面白い。そんな内容だった。もしかしたら正調古典落語(規定は難しいかもしらんが)のファンからしたら邪道なのかもしれないが、こういうふうに落語って幅があるなと思えるし、エンターテインメントとして実に楽しめる。客席の反応からもそれがよく窺える高座だった。
 動から静。そしてまた動。ジェットコースターから路面電車。自由自在。客席が水を打ったようにはっとする瞬間。まさに緊張と緩和。また、窮地に陥った主人公が発する「どうしよう?」。その醸す空気が天下一品だった。
 「五貫裁き」のまくらは40分以上もあった。対談で熱烈なファンの井上陽水さんとあった話。終わったあとのトークで、典型的な(酒にまつわる小咄を交えた)まくらを一節。そこだけは見事に古典落語の世界だった。懐の深さを感じさせる。ほめ過ぎか。

  松元ヒロさんは相変わらず素敵な笑えるパントマイムだった。メンソーレは頑張って。細かいことは抜きにして堂々とはしていた。




4/21 末広深夜寄席 at 新宿末広亭 21:30〜


   川柳つくし:女はつらいよ
   桂きん治岸柳島
   林家ぼたん:夢の酒
   三遊亭きん歌幇間腹



 勢いで深夜寄席。で、つくしはなんか固くて、ちょっとしんどい出来。きん治はまあまあ。こういう噺はあってると思った。ぼたんは上手かった。特に女性の中では結構評価高い気がする。きん歌はキャラも含めていい感じなのになにかちょっと惜しい気がした。ちょっとわざとらしいのかなあ。


 しかし、圧倒的なものを観た直後に若手を観るのは酷。余計なところが眼につきすぎるし、前の良い印象度も薄れてしまう。熟成されてきて旨い酒と醸造中の若い酒を一緒に飲むこたあ無い。反省。