なじみとギャップ (ver1.01)

amane92007-03-20

 しかし落語に足しげく通うようになって過去なじみの無い駅に降り立つことが増えた。今日は浅草橋。テレビ番組のタイトルにも冠されていたりしてなんだか行ったことあったような気がしていたのだが降りてみたらそんなことはない。立ち飲み屋や古い居酒屋等々。夕刻の町並みはなんだか魅力的で、いかんいかん、飲んでしまいそうな気持ちを抑えつつ行く先を探す。ウェブで地図をプリントアウトしてきたんだがいかんせんわかりづらい。方向音痴じゃないはずなのにいささか迷う。会場至近の路上で喜多八師匠とすれ違う。
 エレベーターで6Fへ、降りると、たぶん開場待ちしながらロビーで飲み食いしている人の視線がこちらへ。ちょっと怯みつつ、まっ、自意識過剰自意識過剰と思いながら会場内の様子を窺うとまだ椅子を並べたりセッティングの真っ最中。ちょっと早かったかな、と近所のコンビニへ。お茶を買って戻るともう開場してあって前方の席はもう荷物で埋まっている。妙齢の常連の方々の席取りはいずれの場所でも熱心だ。当たり前か。


  3/20  第36回 鳥越落語会 at 浅草橋区民館6F 19:00〜


    柳家ろべえ:出来心
    柳家喜多八宮戸川

あっ、やってしまった。調子に乗って携帯から日記をいじったら訳わからずにこの後書いてた分が消えてしまった。バックアップとって無い。う〜ん。また書き直さなきゃ。(だからver.1.01)

    瀧川鯉昇:味噌蔵
      仲入り
    柳家喜多八大山詣り


 喜多八落語を至近距離で体験した。誰にも似ていない。独特。人物をきれいに演じ分けようとはしていないように思う。でも、噺はきっちり伝わる。「大山詣り」は、師匠が素の喋りからは想像できないくらい大きな声を発するのでそのギャップに驚いた。熊五郎をはじめ、喧嘩っ早い威勢のいい江戸っ子が登場するから当然なのだろうが。人物のメリハリ、ハイテンション時と我に返ったときのギャップがとてつもなく効果を発揮しているような気がする。「宮戸川」の、おはなが半七を追い抜く場面や「わかってる、わかってる」と随所で徹底的に早合点するおじさんや、「大山詣り」の熊五郎の感情が振れなど、いちいちおかしい、笑わされてしまう。やる気なさそうにだるそうに搾り出すように苦しげに思える(思わせる)語り口で、おかしみのジャブの間隙をついての大振りのアッパーカット。本当に、独特な感覚でギャップというものを手玉にとって、その淡々とした表情の裏で師匠がニヤリとしている様を想像してしまうのだった。妄想?

 鯉昇師匠は、客席の「待ってました」の掛け声と共に登場。サゲに使えそうな駄洒落を連発しながらの枕でどっかんどっかん笑いをとった後、こういうのが正調江戸落語というような一席。常連の客席が期待する”粋”が溢れていた。

 ろべえ。客席の雰囲気にのまれたのか、はたまた自転車による来訪で体力を使い果たしたのか(自分で言ってた)ちょっと苦戦。がんばれ。

 予定より15分遅れで終了。急いで新宿末広亭へ。滑り込んだが、やはり寸での差で頭が欠けてしまった。途中入り、立ち見は見る側としてもちょっとペースをつかめない。



 3/20  第9回 四派で深夜  at 新宿末広亭 21:30〜

  
  五街道弥助:蚫熨斗
  三遊亭神楽:釜泥
  立川笑志:短命
  三笑亭朝夢天狗裁き


 順番は阿弥陀くじで決めたらしい。まずは落語協会から弥助。なんかこっちが集中できてなかったせいもあるのか、出番がトップだからかやりにくそうに感じてしまう。風貌にいい雰囲気を感じる人なんで次の機会にしっかり見せてもらおう。次は普段寄席に出れない円楽一門から神楽。勢いこむのはわかるが分かりにくいところが。円楽さんのエピソードとかもおもしろいんだが落ちの意味が分からなかった。で、落語立川流よりベテラン二つ目の笑志。一番受けてた。普段寄席に来れないんでといきなり客席を撮影したり、ブラックな枕のネタのリアクションがおとなしいと立川流の会ではウケるんですがとコメントし、それでも自分は一門ではハト派と称して言いたい放題。「短命」も面白い。さすがにキャリアが違う。トリは落語芸術協会から朝夢。気になる人だった。見た目と感じが女形みたい。軽妙な語り口。トリに慣れてないと連発したり、三笑亭は落語の元祖で三遊亭は元々亜流と微妙に毒づいたり。演じる動きもちょっと変わってて、見ようによっては気持ち悪い。慣れればくせになるかもしれない。よく言えばジムキャリーっぽい。ひとつの噺の中で凄くいいところとそうでないところに凄くギャップがある。どうなっていくのか興味を惹かれた。



 終了後、新宿西口商店街へ。久方ぶりだが、相変わらずいいディープな空気。ささもとへ。たまたま並ばずに座れた。それも煮込みの鍋の前。刺身、焼き物、煮込みをビールと焼酎梅割りで。満足。それから若月へ。つけめん。手打ちのプリプリ麺にあっさり醤油スープは締めに最適。そういえば、東池袋大勝軒は今日で閉店か。なんだか大変な行列だとか。テレビももっと報道することあるだろうとは思うが。あとそんな長時間並んでまで食べたいか、まあ食べたいから並んでるんだろうが。昔行った時は45分並ぶのもしんどいと思ってたのを思い出した。みんな思い出を買いに行ってるのかな。

(しかし、途中から新たに書き直すのって疲れる。バックアップ取んなきゃ。)