トンガとフィジーの差異の大小

 所用と所用の合間。途中入場。入り口で後何席残ってますか?と尋ねるとまだまだいっぱいあります、としかこたえてくれない。全く悪意は無さそうだし、ただのコミュニケーションブレイクダウン。おかしいからそのまま入場。新しい多目的ホール。最前にゴザがしいてあって小さい座布団二枚重ねの桟敷席。珍妙、がいいか。 


 5/13 三遊亭白鳥林家彦いち 二人会 at ラゾーナ川崎プラザソル


    林家彦いち権助
      仲入り
    林家彦いち:にらみ合い(ドキュメンタリー落語)
    三遊亭白鳥:新潟版 時そば




 この前に、誰が開口一番で何を演じ1席目に白鳥氏が何をやったのか?は与り知りません。彦いち氏は得意の顔芸(?)を駆使し笑いを取っていました。こないだの鈴本と同じ感じ。権助魚に続いて3度目になる「にらみ合い」。このときのまくらでの白鳥話が面白い。(今日のタイトルもそこから)バカなのか、人でなしなのか、面白ければ何でも有りなのか。噺家だから、ってことなんだろうけど他の噺家とその基準、気分、加減がかなり違う気がしますが。
 しかし、今日はこの時そばが白眉でした。わざわざ来た価値有りと思えたし。あれーっ、普通に古典、普通に時そば?白鳥氏といえどもこういうローカルないわゆる落語を求める客層用にベーシックな型を持ってるのかなあ、と勘違いしそうになった途端、1席目を聞いていなかったもんで空気読めずという感は否めないが、白鳥ワールドに引き込まれ始める。つまり前半は古典、後半は新作という作り、な訳です。
 作られた当時を考えると先取りとも言えるエコを皮肉った背景といい、座布団を蕎麦生地に見立て前列の桟敷の客にホコリを直接お見舞いするアクション、お箸は骨上げの金属製、丼は工事現場のプラスチックの黄色い○○建設の名前入りのヘルメット...何じゃそりゃ。なんと言っても、二つ目時代に新宿厚生年金会館で行われた「志ん朝小三治二人会」の前座でやったというのが凄いとしか言いようが無い。それにしても志ん朝師匠とのエピソードは凄いなあ。
 なんだか、自信をつけて場に動じなくなってきているように思える白鳥氏は自身だけの凄みの薄皮を一枚一枚増してきている気がする。